内科
常勤医17名、非常勤医30名の体制で循環器および小児を除く内科疾患全般に関する入院・検査に対応しています。
専門診療領域は以下のとおりです。
消化器内科
消化器内科では、胃・大腸などの消化管から肝・胆・膵領域疾患まで、ほとんどの消化器疾患に対し、常勤医7名で診療をおこなっています。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、内視鏡技師が在籍し、病院職員全体によるチーム医療を重視しています。
クリニックでは一般的な内視鏡検査・処置を行っており、病院では専門的な内視鏡治療を中心に対応しています。特に、胃・大腸を含めた消化管に対する内視鏡検査・治療に重点を置いており、内視鏡治療件数は徐々に増加しています。
近年、早期消化管腫瘍に対する新しい技術である内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)により、従来は外科手術が必要であった病変も、体に負担の少ない内視鏡治療が可能となってきました。当科においてもすでに導入を行い、確実に成果をあげてきています。今後も、エビデンスに基づく最新の高度治療を提供していきます。
内視鏡治療についてのご相談があれば、消化器内科にご相談ください。
2010年内視鏡実績
(2010年1月~12月、病院+クリニック) |
件数
(2010年度) |
| 上部消化管内視鏡検査 |
6255 |
| 緊急内視鏡検査 |
229 |
| 内視鏡的止血術 |
118 |
| 胃腫瘍切除術(総数) |
28 |
| (内視鏡的粘膜切除術(EMR)+ポリペクトミー) |
16 |
| (内視鏡的胃粘膜下層剥離術(ESD)) |
12 |
| 内視鏡的食道静脈瘤治療 |
7 |
| 内視鏡的胃瘻造設術 |
75 |
| 下部消化管内視鏡検査 |
1763 |
| 緊急内視鏡検査 |
58 |
| 内視鏡的止血術 |
8 |
| 大腸腫瘍切除術 |
|
| (EMR+ポリペクトミー) |
365 |
| (内視鏡的胃粘膜下層剥離術(ESD)) |
2 |
| 胆・膵内視鏡検査 |
| 内視鏡的逆行性胆管膵管造影 |
184 |
| 内視鏡的十二指腸乳頭切開術 |
|
| 内視鏡的胆道ドレナージ術 |
94 |
(消化器内科統括部長 小川哲史)
糖尿病代謝
常勤医1名で診療を行っています。
随時、糖尿病教育入院を行い、約14日間で医師、薬剤師、看護師、栄養士による講義があります。
治療方針は原則として、日本糖尿病医学会の治療ガイドに準じていますが、患者さん、家族と相談の上、決定します。
高血糖等の急性合併症に対しても積極的に受け入れています。
外来では、糖尿病診療、糖尿病教室の他、高脂血症の診療も同時に
行っています。
(内科副部長 三好洋二)
内分泌代謝
常勤医3名で診療を行っています。
当科が診療対象とする疾患で、頻度的に多いのは甲状腺の異常です。
特に機能亢進をきたすバセドウ病と、機能低下をきたす橋本病は、日常診療の中心を成しています。
甲状腺の
腫瘤も、近年エタノール注入にて軽快する例が増えています。
その他、下垂体・副甲状腺・膵臓・副腎などを舞台とするさまざまな病気があります。
内分泌疾患は、まず疑うことから道が
開けてきます。
できる限りの検査技術を駆使して、適切な診断治療に努めてまいります。
(内分泌代謝内科部長 小野田教高)
腎臓内科
常勤医3名にて診療を行っております。
腎臓内科は学校や職場の健康診断などで検尿異常を指摘された方から糖尿病や高血圧などで腎不全に陥り代替療法(透析療法、腎移植)が必要になった方まで、さまざまな腎疾患の診療や他科疾患や中毒にいたるまでの急性血液浄化療法を含めて、幅広く診療を行っております。
さやま総合クリニックにおいては主に腎臓病の外来診療を中心に行い、狭山病院では入院が必要な腎臓病治療と透析療法の導入、急性血液浄化を、さやま腎クリニックにおいてはすでに血液透析が導入された方の維持透析を行っております。近年、慢性腎臓病(CKD)という概念が導入され、その推定患者数の多さから、国民病として大きな問題とされています。慢性腎臓病(CKD)の問題点としては①将来透析療法などの代替療法が必要になる可能性があること、②慢性腎臓病の方は一般人口と比較して心血管疾患の危険性が高いこと、この2つが指摘されています。
いずれにしても慢性腎臓病(CKD)の早期発見、早期治療が重要であることは明らかです。慢性腎臓病(CKD)の治療には投薬治療だけでなく食事療法や生活習慣の是正が不可欠です。よって当科の診療は医師、看護師のみならず栄養士や薬剤師、ソーシャルワーカーなども含めてさまざまな医療職の職員とともに連携をはかりながら行っております。適切な診断、治療に努め皆さんのお役にたてることを願っております。
(腎臓内科部長 池田直史)
人工透析内科
人工透析内科は平成20年11月にさやま総合クリニックの外来透析部門から分離独立し、さやま腎クリニックとして開院いたしました。
詳しくはさやま腎クリニックのホームページをご参照ください。
http://www.sayamahp.jp/kidney/index.php
循環器科
常勤医10名の体制で外来・入院・検査に対応しています。
高血圧・不整脈・心不全などの循環器疾患一般のみならず、不安定狭心症や急性心筋梗塞といった緊急対応が不可欠な患者さんの治療にも積極的に取り組んでいます。
とくに、インターベンション治療では従来のPTCAに止まらず、各種ステントやローターブレータの使用をはじめ最新の治療技術をいち早く採用し、再狭窄の防止などめざましい治療成績の向上を実現しています。
心エコーなどを担当する生理検査技師も6名おり、外来での検査もスムーズに実施できるよう心がけています。
二つの心血管造影検査とICUには循環器系の臨床工学士7名を配置しており、24時間体制で迅速に緊急カテーテル治療が出来るようになっています。
川越や所沢など近隣の市町村からの患者さんの救急搬入が増加しており、冠動脈のカテーテル治療(PTCA)の症例数は、埼玉県で最も多く、関東甲信越地区でも5本の指に入る治療実績をあげています。
(副院長 山根正久)
(循環器科部長 長谷川耕太郎)
外科
8人の外科スタッフを擁し、殆どの一般・消化器外科疾患の診断と治療に従事し、毎週10件前後の定時手術と、数件の緊急手術を行い、年間手術件数は500例に及びます。
夜間も外科当直以外に、外科オンコール体制を敷き、緊急手術に対応しています。
我々外科スタッフは、日本全国どこでも最新の標準治療を提供することをモット-に日々研鑽し、狭山・入間地区を中心とした診療圏の方々の地域医療・癌診療・救急医療の充実に貢献し、皆さんのお役に立てることをお約束します。
- 一般・消化器外科疾患におけるチーム医療
患者さんの診療に当たっては外科医、看護師、ならびに薬剤師、栄養士、検査技師、理学療法士、地域連携室などのコメディカルスタッフ、病院職員全員が患者 さんの診療に当たる大きな意味での医療チームを形成し、医師がチームの中心にあえるのではなく、患者さんがその中心にいる、チームワーク重視の診療にあ たっています。
- 外科治療だけではなく、化学療法、緩和医療などの内科的治療も含めた一貫した医療
外科医といえば手術しかできないと考えていらっしゃる方が多いと思います。
当狭山病院外科では最新の診断・手術機器はもちろんのこと、外来化学療法室、緩和ケア病棟を有し、診断から、治療まで一貫した癌診療を行っています。
- 麻酔科の先生の協力の下、24時間体制で手術に対応できる救急医療
当院は年間救急搬送台数5000件を超え、外科系緊急手術も年間100件をゆうに超えます。
我々は常勤の麻酔科医の先生方の全面協力の下に365日24時間緊急手術を行える体制を整え、地域の皆さんの緊急医療に対する昨今の心配を解消すべく努力しています。
- 新しい治療・技術の導入
胆石症に対する腹腔鏡手術の導入から20年が経過し、最近では悪性疾患に対しても積極的に適用され、当科でも胃癌、大腸癌の腹腔鏡手術を積極的に行っています。
急性虫垂炎でも、腸閉塞を除く殆どの症例で腹腔鏡手術を行い、穿孔症例や、腹膜炎症例に対しても積極的に適用することにより、90%以上の症例を腹腔鏡手術で施行しています。
胃癌・大腸癌に対する化学療法もエビデンスに基づいた最新の標準治療、あるいは臨床研究的な治療を導入しています。
- 高齢者に対する優しい診療
狭山・入間地区の診療野の特徴の一つとして、高齢者の患者さんが多いことがあげられます。
高齢者の方には二つの患者層があります。
一つは元気な肉体エリートの患者層、一つは高齢に伴う様々な臓器障害を有する層です。
我々は、厳密な術前リスク評価を行うとともに、患者さん本人・ご家族に対する十分なインフォームドコンセントによって、患者さんごとに個別化治療を行い、年齢を言い訳にしない診療をこころがけます。
胃十二指腸
| 悪性疾患 |
| 胃癌 |
59 |
| 鏡視下手術 |
5 |
| 良性疾患 |
| 開腹手術 |
3 |
| 鏡視下手術 |
1 |
| 十二指腸潰瘍穿孔 |
| 開腹手術 |
1 |
| 鏡視下手術 |
3 |
| 計 |
72 |
肝胆膵脾
| 肝切除術 |
15 |
| ラジオ波焼灼療法 |
3 |
| 胆嚢摘出術 |
| 開腹手術 |
26 |
| 腹腔鏡下手術 |
80 |
| 膵頭十二指腸切除術 |
9 |
| 乳頭部切除術 |
1 |
| 脾臓摘出 |
| 開腹手術 |
8 |
| 鏡視下手術 |
1 |
| 胆管癌 |
4 |
| 総胆管切開載石術 |
4 |
| 胆管空腸吻合術 |
1 |
| 胆管十二指腸吻合術 |
2 |
| 膵体尾部切除術 |
1 |
| 計 |
155 |
下部消化管
| 結腸・直腸癌 |
| 開腹 |
99 |
| 鏡視下 |
20 |
| 経肛門切除 |
8 |
| 消化管バイパス術 |
10 |
| 人工肛門造設術 |
17 |
| 急性虫垂炎 |
| 開腹 |
24 |
| 鏡視下手術 |
57 |
| 大腸全摘術 |
1 |
| 人工肛門閉鎖術 |
2 |
| 腸閉塞手術 |
| 開腹 |
37 |
| 鏡視下 |
3 |
| その他 |
|
| 開腹 |
9 |
| 鏡視下 |
3 |
| 計 |
290 |
鏡視下手術
| 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 |
5 |
| 腹腔鏡下胃穿孔単純閉鎖術 |
1 |
| 腹腔鏡下穿孔部縫合閉鎖術 |
1 |
| 腹腔鏡下大綱被覆充填術 |
2 |
| 腹腔鏡下胆嚢摘出術 |
80 |
| 腹腔鏡下脾臓摘出術 |
1 |
| 腹腔鏡下重複腸管切除術 |
1 |
| 腹腔鏡下虫垂切除術 |
57 |
| 腹腔鏡補助下回盲部切除術 |
2 |
| 腹腔鏡補助下上行結腸切除術 |
2 |
| 腹腔鏡補助下横行結腸部分切除術 |
1 |
| 腹腔鏡補助下下行結腸切除術 |
5 |
| 腹腔鏡補助下左結腸切除術 |
1 |
| 腹腔鏡補助下S状結腸切除術 |
8 |
| 腹腔鏡補助下低位前方切除術 |
1 |
| 腹腔鏡補助下イレウス解除術 |
3 |
| 腹腔鏡補助下腹腔内観察・腹水採取 |
1 |
| 計 |
172 |
その他
| ヘルニア |
156 |
| 内分泌 |
4 |
| 卵巣切除術 |
1 |
| 会陰部膿瘍切開排膿術 |
1 |
| 腋窩リンパ節生検術 |
2 |
| 横隔膜合併胸壁腫瘍切除術 |
1 |
| 開腹止血術 |
1 |
| 後腹膜腫瘤摘出術 |
1 |
| 痔核根治術(結紮切除術) |
1 |
| 子宮全摘術 |
1 |
| 試験開腹術 |
4 |
| 脂肪腫摘出術 |
2 |
| 手術中止 |
1 |
| 術中迅速病理診断 |
2 |
| 精巣固定術 |
1 |
| 洗浄ドレナージ術 |
26 |
| 停留精巣根治術 |
1 |
| 臀部膿瘍切開排膿術 |
1 |
| 内ヘルニア解除術 |
1 |
| バイパス術 |
1 |
| 腹腔腫瘍切除術 |
1 |
| 腹腔内異物除去術 |
1 |
| 腹壁膿瘍切開排膿ドレナージ術 |
1 |
| 腹膜炎手術 |
2 |
| 膀胱部分手術 |
1 |
| 母指嵌入爪切除術(フェノール法) |
1 |
| 癒着剥離術 |
3 |
| リンパ節郭清術 |
12 |
| リンパ節生検 |
2 |
| 瘻孔閉鎖術 |
1 |
| CVポート抜去 |
3 |
| 計 |
237 |
内視鏡的処置
| ERCP |
181 |
| うちEST |
83 |
| ステント挿入 |
25 |
| ENBD留置 |
1 |
| イレウス管処置 |
111 |
| 経肛門イレウス管挿入 |
7 |
| PTCD |
34 |
| PTGBD/A |
13 |
| 胃EMR |
14 |
| 胃ESD |
8 |
| 結腸EMR |
8 |
| 結腸ESD |
7 |
| 計 |
383 |
(副院長 河村正敏)
(外科主任部長 堤謙二)
(外科部長 坂本信之)
整形外科
整形外科は体の骨格を治療しています。扱う組織は骨、関節、神経、筋、腱、血管などです。患者さんの訴えとしては痛い、しびれる、動かないなどです。具体的には外傷(骨折、脱臼、神経・腱断裂など)慢性疾患(膝、股関節の関節症、腰椎椎間板ヘルニア、
骨軟部腫瘍、骨粗鬆症)など多岐にわたっています。私たちが得意とする分野は上肢(肩、手;野本)下肢(股関節、膝関節;伊東)です。それぞれを専門としています。手術数も500例を超えています。その中でも多いのは大腿骨頚部骨折です。患者さんの高齢化に伴い合併症を持った患者さんがほとんどです。麻酔科・内科の医師にも協力をしてもらって安全に手術を行うように心がけています。
人工股関節置換術、人工膝関節置換術、
膝関節鏡下の手術も行っています。日本手の外科学会認定の研修施設にもなっています。手のけが、しびれ、疼痛など手に関しての症状があれば受診してください。脊椎、腫瘍は外来で専門医の診察があります。当院での手術が難しい場合は他の専門病院を責任もって紹介いたします。クリニック外来を受診のときは専門確認のうえ予約していただけるとありがたいです。みなさまに満足していただける整形外科の診療を行いたいと思います。
(整形外科主任部長 松岡正)
(整形外科部長 伊東秀治)

形成外科
形成外科がどんな科であるか、はっきりわかる方は少ないと思います。
ひとことで言えば「皮膚外科」です。
例えばやけどをした時、浅ければ皮膚科で軟膏治療を行ない、深ければ形成外科で手術をします。
また皮膚のシコリが気になった時、皮膚科で方針を立て、もし手術となれば形成外科で手術をします。
形成外科が何となくおわかりいただけたでしょうか。
しかし実際にご自分が受診する時には、自分の症状が形成外科でいいのか迷うことが多いと思います。
でもご安心ください。受付で専門スタッフがご相談します。
当科で扱う主な疾患
- 皮膚腫瘍(良性のほくろやシコリから、悪性腫瘍まで)
- 顔面外傷(キズの縫合から、顔面骨骨折まで)
- キズアト修正、ケロイド治療
- 顔面変形(口唇口蓋裂、耳介、鼻変形等)
- その他(陥入爪、眼瞼下垂、腋臭症、包茎等・・・・)
*エコー、MRI等の最新の画像診断のもと、適切な治療を行ないます。
*美容外科が形成外科の1つの分野であるように、私たちはすべての手術において、術後のきれいな仕上がりも気を配ります。
*年間手術件数 約450件
スタッフ
今年からは常勤医師1名に加え非常勤医師を3名に増やし、より多くの患者様により質の高い診療を提供できる体制を作りました。
病気は悩んでいる間にも進行します。
外来診療は基本的に毎日おこなっていますので、気になったら早めの受診をお勧めします。
(形成外科部長 工藤聡)

脳神経外科
常勤医2名体制にて脳神経外科領域の疾患全般に対応しています。
特に救急患者に対しては24時間即応体制を組んでいます。
くも膜下出血、脳内出血、重症頭部外傷症例については、緊急手術を含めた集中治療を行っています。
脳梗塞症例については、脳塞栓が原因の主幹動脈塞栓の、超急性期例では動脈内血栓溶解を施行しています。
スクリーニングとして、ヘリカルCTによる3Dアンギオ、MRAなどを用いて、無症候性脳血管病変(未破裂動脈瘤、主幹動脈狭窄など)の早期発見を目標としています。
亜急性期-慢性期の脳梗塞に対しては、脳循環動態を調べた上、バイパス手術、血栓内膜剥離術などの適応を決定しています。
その他、高圧酸素療法、理学療法による機能回復に努めています。
特に脳卒中後遺症による言語障害に対しては言語聴覚士(ST)が回復指導にあたっています。
なお、手術件数は年間トータルで約120件、うち脳内出血手術が約30件、動脈瘤手術が約30件、血管内手術が約10件等となっています。
(脳神経外科部長 扇一恒章)

心臓血管外科
常勤医4名体制(うち心臓血管外科専門医2名)で心臓大血管、末梢血管と肺疾患の外科的治療を中心に24時間体制で対応しています。
当科診療上の特徴
- 外科的手術を必要とする心臓血管関連の疾患には24時間365日対応できる体制を整えています。
そ のため動脈瘤破裂、急性大動脈解離や急性動脈閉塞などの緊急手術を多く行っています。
また80歳以上、透析や以前心臓手術を受けた患者さんなどの一般的にリスクの高い手術にも対応しており、当院のユーロスコア(別記参照)は7.7と極めて高い値です。
- 患者さんが当院を受診しやすくするために、当科で行われている診療内容を情報公開しています。
具体的な試みとして、手術の数、成績は偽りなく、紹介医やホームページに公表し、常に成績改善の努力をします。
また心臓・大血管手術はDVDに記録していますので、患者さんのご希望があればDVDでのダビングを後日お渡しします。
- 担当医が診察ごとに変わると治療方針や説明内容が変わり、不安感を訴える患者さんが多くみられます。
手術前の説明から手術の執刀は極力同じ医師が担当するように努めます。
- 心臓手術には危険性が伴います。
手術の前に手術の必要性、方法、危険性について充分説明します。
患者さんやご家族が理解および納得した上で手術を行います。
決して手術を強要する事はしません。
- 他院よりのセカンドオピニオンは随時受け入れています。
また他院へのセカンドオピニオンをご希望される患者さんは担当医にご気軽に相談してください。
疾患別治療法の特徴
- 虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞のこと):
狭心症や心筋梗塞に対する冠動脈バイパス手術では手術の質を維持するために、以下の2点に留意しています。
まずは長期的な成績が良好といわれている動脈をバイパスに使用することです。
足の静脈を使用するより、技術的には難しく、時間も必要とします。
しかし患者さんの長期的なメリットを考え、バイパス材料にはなるべく動脈を使用しています。
もうひとつは患者さんの状態に応じて、心停止下の手術と心拍動下の手術を使い分けることです。
心停止下の手術は血管吻合を容易にしますが、患者さんの体への負担が増え、脳梗塞も発生しやすくなります。
逆に心拍動下の手術は血管吻合が難しくなりますが、患者さんへの体の負担が減ります。
我々はそれぞれの手術法の利点、欠点を考慮し、患者さんに適した手術方法を選択しています。
その結果、現部長(木山 宏)が着任した平成14年12月からの193例の単独冠動脈バイパス術に術中脳梗塞発生は1例もありません。
- 心臓弁膜症:
弁膜症には人工弁を移植する事が多いのですが、人工弁を移植することにより、一生飲まなければならない薬(ワーファリン)が必要となります。
我々は人工弁の移植を可能な限り避けるため、自分の弁を残す弁形成術を試みています。
僧帽弁閉鎖不全症の8割で形成術を行いました。
またワーファリンを必要としない生体弁も積極的に移植しています。
- 大動脈疾患:
腹部大動脈瘤の手術は皮膚切開10cm以下の小切開下に行っています。
切離する筋肉の量が少ないため術後の痛みが軽いのが特徴です。
術後回復も早く手術5日後に退院した患者さんもいます。
急性大動脈解離、大動脈瘤破裂といった突然死を引き起こす疾患が急増しています。
このような緊急を必要とする大血管手術に対しても24時間体制で対応しています。
- 下肢静脈瘤:
患者さんの足の状態やご都合に合わせて、入院手術と外来手術を選択しています。
約6割の患者さんが外来のみで治療しています。
また軽症の患者さんには薬を静脈瘤に注入して治す、硬化療法を行っています。
- 肺疾患:
肺疾患は気胸の治療を主に行っています。
手術はほとんどカメラ補助下(胸腔鏡下手術)でします。
胸腔鏡下手術は手術創も小さく、術後の痛みが軽いという特徴があります。
また2004年より再発予防を目的に肺表面に特殊なシート(ポリグルコール酸)を貼っています。
この方法を導入してからは連続84例術後再発がありません。
気胸の術後再発は5~10%といわれていますので、当院の成績は驚異的な数字です。
(心臓血管外科主任部長 木山宏)
(心臓血管外科部長 垣伸明)