総合内科 後期臨床研修プログラム
当科の概要
当院は地域の中核病院として救急など急性期の診療を行っている。中でも、内科は各専門内科医が24時間、交代で救急内科医として診療に参加し、救急の中心を担っている。
総合内科は、そんな救急医療に参加しつつ、高齢者や要介護状態の患者の医療を中心に行っている。癌など各種疾患の終末期にある患者、脳血管障害、神経変性疾患、パーキンソニズム、認知症などが多い。
多くの患者で、経管栄養、胃瘻などの処置、リハビリテーション、NSTの介入、緩和医療的アプローチが必要である。様々な重篤な疾患を合併することがあり、各種の専門内科や外科、精神科などの助けを借りたり、逆に、各科から手に負えなくなった患者を引き受けたりする。
いずれにしても、院内、そして地域での連携がスムーズになされるよう柔軟に対応し、皆がにこやかに仕事を行い、患者さんが困った顔をしないように努めている。
入院患者数は常時80名ほどで、内科の6割を占める。月間の入退院数は100名ほどである。
患者、家族とも心身両面に不安定な場合が多く、比較的多くの時間を回診に割き、面談やカンファランスに時間をかけながらも、てきぱきと診療を進めざるを得ない。
当院はソーシャルワーカーやリハビリテーションスタッフが極めて充実し、また地域の恵まれた医療環境にあり、総合内科医がのんびりと、時に呆然と診療を行っていても、退院までの妥当な流れが出来てゆく、そんな点に大きな特徴がある。
1)GIO
- 地域の中核病院の一次、二次救急における初期診療の能力を身につけ、高齢者医療、さらに幅広い内科分野を経験し、専門性にとらわれない患者への全人的、継続的アプローチができる。
- カルテ記載やインフォームドコンセントを基盤とし、チーム医療、医療連携を活かして患者中心の医療を実践できる。
- 研修期間内に、日本内科学会認定内科医資格の取得を目指す。また日本内科学会総合内科専門医資格を取得するための研修期間の一部となる。
2)SBOs
- 救急外来を受診する、あるいは地域の医療機関、介護施設や外来・病棟から紹介される患者に対する、初期診療の技法に精通し、妥当なコーディネート(入院、転院、転科、外来や介護ケアへの橋渡しなど)を行える。
- 複数の疾患を併せ持つなど高齢者の特質について深く理解し、適切な対処をとることができる。
- 脳血管障害や各種疾患における廃用症候群に対するリハビリテーションの基本を知
り、その適応を判断でき、理学療法士、作業療法士、言語療法士への指示を出し、結果を評価できる。
- 終末期癌患者の緩和医療の意義を知り、他の医師や職種と協同で、病状を評価し、治療計画を立案できる。
- 各種病態に合わせた適切な栄養法、輸液療法を知り、処方を行い、結果を評価できる。
- 看護師やコメディカル、その他の職種との適切な協力関係を築き、チーム医療に参加し、医師としての役割をはたせる。
- 日本内科学会は、一定レベル以上の実力をもち,信頼される内科医を認定内科医として認定し,さらに高い水準の内科診療能力を備えた認定内科医を総合内科専門医として認定している。当科の研修ではこれらの資格の取得を一つの目標と位置づける。そのため、以下の受験資格に沿うような、診療や講習を経験することが望まれる。
a)認定内科医
当科の後期研修期間に、認定内科医の認定を受けることが可能である。
初期臨床研修2年に加え、日本内科学会より教育病院に認定されている当院での後期内科研修1年以上 、つまり計3年以上(その内18か月間以上が内科研修であることが必須) の研修で認定内科医の受験資格を得ることになる。認定内科医試験の出願時には、成人例[担当時に15歳以上]の受持入院患者18症例中、内科9分野からそれぞれ1症例を含む13症例、外科転科もしくは外科担当症例2症例、救急外来もしくは救急入院担当症例2症例、剖検を行った1症例の病歴要約および退院時サマリーのコピーの提出が必要である。
(内科9分野とは消化器、循環器、内分泌・代謝、腎臓、呼吸器、血液、神経、アレルギー・膠原病、感染症を指す。)
また、医師免許取得後に受講した救急蘇生講習会(AHA認定ACLSコース,ACLS協会,地域医師会,あるいは関連学会の認定したACLSコースならびにICLSコース)の受講修了証のコピーの提出が必要である。
b) 総合内科専門医
連続して3年以上の日本内科学会会員であり,例として認定内科医資格を取得した年度を含め、教育病院では3年以上の内科研修が必要。(他に教育関連病院での研修を含む規定あり)
総合内科専門医試験の出願時には、成人例[担当時に15歳以上]の受持入院患者20症例(剖検症例を重複させない場合は最大22症例となる)、すなわち内科9分野からそれぞれ2症例を含む13症例、外科転科症例2例、剖検症例2例(内科症例と重複可能)の病歴要約および退院時サマリーのコピーの提出が必要である。
3)経験すべき診療
- 外傷を除く一次~二次救急患者の初期診療。
- 脳卒中(脳梗塞を中心とする)の発症から回復期にかけての急性期の入院診療。
- 高齢者や脳神経障害をかかえる患者に発生する栄養障害、廃用症候群、摂食・嚥下障害、褥瘡など様々な病態に対する入院診療。
- 終末期癌患者の緩和医療を含めた入院診療。
- 高血圧症、慢性心不全など心血管系疾患の管理。
- 糖尿病、高脂血症、栄養障害など代謝性疾患の管理。
- ショック、多臓器不全などに対する集学的治療。
- よくみられる消化器、循環器、内分泌・代謝、腎臓、呼吸器、血液、アレルギー・膠原病、感染症の入院診療。
4)Learning Strategy
- 総合内科では、高齢者、癌など各種疾患の終末期患者、脳血管障害、脳神経変性疾患の入院患者を中心に診療を行い、主治医の一員として診療を行う。
- 総合内科の入院患者はなんらかのリハビリテーションを必要とする場合がほとんどである。症例を通してリハビリテーションについて学び、理学療法士、作業療法士、言語療法士を中心とする多職種とのカンファランスに参加する。
- 総合内科はNST(栄養サポートチーム)、褥瘡チーム、摂食嚥下チームの活動に中心的な役割を果たしており、それぞれの回診や、勉強会に参加する。
- 当院では、消化器内科、循環器内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、呼吸器・感染症内科が入院を含む専門的診療を行っているが、これらの科のローテーションを行い、幅広い症例を経験する。また、希望によりエコー、内視鏡など専門的手技の習得も可能である。各科のローテーション期間については希望に応じる。
- 当院の緩和医療科は、独立した病棟を有し、末期癌患者に緩和ケアを行っている。
総合内科では緩和医療科と協力して末期癌患者の診療に当っているが、緩和医療科のカンファランスや勉強会に参加することにより、緩和医療の基礎を学ぶ。希望により緩和医療科のローテーションを行うことも可能である。
- 他内科の後期研修医と同様に、週に1~2コマ程度(1コマは9:00~13:00、あるいは13:00~17:00)の内科救急外来を受け持つ。
- 他内科の後期研修医と同様に、月に3~5回程度、救急内科医として当直を行なう。
5)総合内科 週間予定
- 病棟カンファランス:内科の2つの病棟において、それぞれ月曜日、木曜日に看護師を中心とした多職種とのカンファランスを行っている。
- リハビリテーションカンファランス:木曜日にリハビリテーションを行っている患者について、リハビリテーションスタッフを中心とした多職種とのカンファランスを行っている。
- NST・褥瘡回診:金曜日にそれぞれのチームが各病棟の回診を行っている。
- 摂食嚥下回診:火曜日に各病棟を回診している。
- 嚥下造影検査:火曜日と金曜日に行っている。
- 内科症例検討会、CPC:すべての科の合同で月曜日の夕方に行われる。
(各専門科にローテーション中は、その科のスケジュールに従う。)
6)研修期間
基本3年間とする
7)研修終了後の進路
当院に常勤医として残り総合内科専門医取得を目指す、あるいは各専門科のスタッフの一員として専門医の取得を目標とすることも可能。
8)評価
病院全体の評価法に準じて行う。
9)スタッフ
豊治宏文(研修責任者)
青山寿久(総合内科・消化器内科部長、院長)